ディケンズ『ピクウィック・クラブ(下)』 [境界性人格障害]
ディケンズの出世作を読み終わった。
ヘンリー・ジェイムズなんかと平行して読んでいると、それほど大した芸術作品とも思えないが、当時のイギリスの(下層階級)の風俗がいろいろ感じ取れて、なかなか味わい深い作品である。
このちくま文庫、下巻だけでなく、上巻、中巻にも、それなりのページ数の作品解説が付録についていて、かなり作品理解の助けになりました。
裕福な初老の独身紳士、ピクウィック氏は、結局、結婚詐欺事件容疑で無実の罪で、債務者監獄に入ることになりました。
今までに触れたことのないみじめな人間との交わりをします。
いろいろあって、やっぱり悪徳弁護士にカネを払って監獄を出ます。
あとは、ピクウィッククラブの若き同志ふたりの結婚騒動。
ピクウィック氏はいろいろ彼らのために活躍し、より尊敬を深められます。
ピクウィック氏は、人気者の召使に暇を出して結婚させ、ピクウィッククラブも解散させ、気ままな旅暮らしにも終止符を打ち、どこぞに蟄居しようとします。
まあ、いろいろありますが、めでたしめでたしの大団円を迎えました。
(了)
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