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『ある婦人の肖像(上)』 [人文科学(主に小説)]

『鳩の翼』に続いてジェイムズを読む。

ある婦人の肖像 (上)

ある婦人の肖像 (上)

  • 作者: ヘンリー・ジェイムズ, 行方 昭夫
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1996/12
  • メディア: 文庫

ちょっと『鳩の翼』と混同してしまって、最初は混乱した。

『鳩の翼』のイギリスにやってきた純粋無垢なアメリカ娘は大金持ちだったが、この『ある婦人』のイギリスにやってきた純粋無垢なアメリカ娘は貧乏なのだ。

『ある婦人』とはおそらくアメリカ娘のイザベル。

彼女は美人なので、イギリスでももてもて。

いきなり貴族から求婚される。

でも、なんとなく断る。

アメリカから追いかけてきたブルジョワ御曹司からも熱烈に求婚される。

でも、なんとなく断る。

イギリスにはかの地で金融業で成功を収めた伯父さんを頼って、やってきたのだ。

従兄のラルフもイザベルを好きになるが、肺病持ちのダメ人間だと自覚しているので、暖かく彼女を見守るだけ。

金持ちの伯父さんは、彼女がやってきたときから危篤状態だった。

そして上巻の終わりの方で死んでしまう、彼女に莫大な遺産を遺して…

突然金持ちになった美人のアメリカ娘の運命やいかに。

(中巻につづく)

ラルフ・エンドの予感だが、はてさて。


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