トミー・リー・ジョーンズ『ナチュラル・ボーン・キラーズ』 [映像作品(DVDなど)]
オリバー・ストーンズ監督の暴力崇拝映画を観た。
オリバー・ストーンズ監督作品のファンではないが、トミー・リー・ジョーンズが出演しているので買って観た。
ミッキーとマロリーは大量殺人鬼カップル。
手当たり次第に殺しまくって、愉快に旅道中。
インディアン居留地で毒ヘビに咬まれてグロッキーになっているところを、頭の狂った刑事に御用になる。
刑務所内で、スター記者から生中継のインタビューを受ける。
扇動的な発言に煽られて、その放送を聞いていた囚人が興奮して暴動を起こし、その騒動に乗じてミッキーとマロリーは逃げ出し、子どもをもうけて幸せな潜伏生活を送る…
(了)
登場人物の心理を反映させた虚像と、実像がないまぜになった、進んだ映像表現がされており、どこまでが現実に起こったことで、どこからが幻想なのかがはっきりしていない。
リアリズムの手法で描かれると荒涼とした印象しか残らないようなストーリーなので、ファンタジーの要素を入れたのは正解だったと思う。
ミッキーとマロリーに、殺人刑事、スター記者など、最後の一線を越えてしまった登場人物ばかりで遠いところの話になってしまいそうだが、これをトミー・リー・ジョーンズ演じる俗物根性丸出しの刑務所所長が現実にうまくひきとめて、映画をまとめていると思う。
トミー・リー・ジョーンズの出番は少ないが、『イージー・ライダー』のジャック・ニコルソンぐらい印象的だ。
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