ヘンリー・ジェイムズ『使者たち』 [境界性人格障害]
ジェイムズ後期の傑作長編を読んだ。
アメリカのブルジョワ青年(チャド)が巴里で、上流階級の夫人と不倫をして洗練される。
彼のママの婚約者(主人公:ストレザー)が、チャドをアメリカに連れ戻すように派遣される。
ストレザー(55歳 ♂)は不倫を見抜けず、プラトニックな恋愛だと思い込み、自分にはなかった青春を謳歌するように、婚約者を裏切って、チャドと不倫相手を擁護するようになる。
すると、チャドの姉一家が第二の使者として派遣されてくる。
実はチャドもこの年増女にはもう飽きていたらしく、アメリカに帰ってバリバリ金儲けに精を出したがっている様子である。
いろいろあって、最後にはストレザーにもことの真相がわかり、ロマンティックな青春の幻影も霧消して敗北者として巴里を去っていく。
(了)
要精読のとてつもない芸術作品だ。
コメント 0