ファインタック『チャレンジャーの死闘(下)』 [人文科学(主に小説)]
宇宙航海、宇宙開拓がとても厳しいことがよくわかる傑作SFを読みました。
さて、宇宙怪物の攻撃を受けた損傷により、N波航法(ワープのようなもの)ができない状態で、70年以上かかる地球への絶望の帰路にチャレンジャーはつきました。
乗組員も乗客も不満たらたらで、主人公シーフォート艦長を悩ませます。
シーフォート艦長の不器用な性格もあって、孤立します。
読んでいて、読み進めるのが痛々しいほど厳しい状況が続きます。
奥さんや息子さんの死を悼むひますらありません。
多くの乗組員や乗客のクレームがあって、完全には修理できるはずもない、精密この上ないN波駆動系の修理をして、テストしてN波を発生させてみたところ…
宇宙怪物が突然現れて襲撃してきました。
どうやらイルカが超音波が聴こえるように、宇宙怪物はN波を聴くことができて、N波航天もできるらしいのです。
宇宙怪物群との死闘が始まります。
今までのストレスが吹き飛ぶような凄まじい戦闘シーン。
問題児、フィリップ・タイアは艦載機で特攻して、命と引き換えに艦を救います。
レーザー砲もすべて破壊され、推進剤も使い果たし、もはやこれまでか…
シーフォート艦長は宇宙怪物に艦船特攻を試みます。
チャレンジャーの先端部に宇宙怪物は串刺し。
そうしたら、運のいいことに宇宙怪物の力によってN波に乗ってしまい、2ヶ月ほどで無事地球に辿りつくことができました。
シーフォートは英雄になりました。
彼が地球に持ち帰った宇宙怪物の死体は、謎の宇宙怪物の秘密を解き明かすのにとても役に立つようです。
地球に降りるまもなく、彼は今度は懐かしの巨大戦艦ハイバーニアの艦長に就任し、改めてホープ・ネーション系へ向けて出航します。
(『激闘ホープ・ネーション!』につづく)
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