『アシェンデン』 [人文科学(主に小説)]
イギリスの現代作家の小説を読んだ。
普通に面白く読んだのだが、最後の訳者の解説を読むと、けっこう有名な小説らしい。
イギリス文学史の教科書だと、モームなんかは小さくしか扱われてないから、知らなかったよ。
モーム自身が第一次世界大戦の頃、スパイをやっていたという事実にまずビックリ。
意外とスパイって、簡単になれるもんなんですね。
この作品自体、モームの体験談を膨らませて小説化したものらしく、ものすごくリアル。
これを読んだら、もうジェームズ・ボンドなんて馬鹿らしくて観れないな。
イギリスのスパイはやっぱこうでなくっちゃ、と思いました。
「アシェンデン」というのは主人公の名前で、モームの分身。
アシェンデンはいろいろ危ない橋も渡りますが、実際にはあまり実績をあげていません(少なくともこの作品中では)。
スイスで売国奴を捕まえたのが唯一の手柄くらいかな。
モームはあまり再評価されていないようですが、もっと高く評価されてしかるべき英国作家だと思います。
皮肉と理性がたっぷりで、非常に英国的です。
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