小泉首相も大好きなエックス・ジャパン [音楽(CD)]
夕方、ソネブロでも読もうかと思ってアクセスしたが、ずっとサーヴァー・エラーで何もできなかった。
なんでだろ~
というわけで、音楽を聴いてました。
これまでずっとなんとなく敬遠していた伝説的なヴィジュアル系バンド
基本的にベスト盤よりオリジナルアルバムを尊重する主義なのだが、エックスに関しては知識がなくて、何から聴いたらわからないので、無難にベスト盤をチョイス。
2枚組みなのに、全部でたった12曲しか入ってない。
んー、ぼったくり?と思いつつCDを手にしたが、さにあらず、1曲1曲がとても長いのだ。
何事も軽薄短小な日本人にあって、この大作主義は個人的にいきなり好感度アップ。
これまでにフルコーラス聴いたことのある曲は「紅」1曲だけだった。
昔、なにかのTV番組で演奏しているのを聴いたのだ。
ヨシキがグランド・ピアノでイントロを弾き終わったら、ドラム・セットまでスタタタと走っていくのが印象的だった。
とにかくジャパメタにしてはやたらと速い曲だったのを覚えている。
人の(無責任な)噂によると、ライヴにてヨシキは曲が終わるまであのスピードをキープできないこともあるとかないとか。
噂の真相は知らないが、とにかくそれくらい体力を消耗する速いドラミングだということだろう。
結論から言うと、このアルバム、凄く気に入った。
このバンドのことも凄く気に入った。
なぜ、速い曲が大好きな私なのに、これまでエックスを敬遠していたのか?
その理由:
①ヴィジュアル系に対する偏見
②ジャパメタに対する偏見
③小泉首相がファンだというので反感を持っていた
①は今でもありますね。
実際私が聴いた範囲では、ヴィジュアル系とカテゴライズされてるバンドの曲はセンスが悪いのが多いと認識しているし、彼らの演奏力・歌唱力も低いと認識しています。
しかし、少なくともエックスの「紅」はセンスの悪い曲ではありませんでした。
エックスの演奏力が低くないのはTVライヴを観て知ってます(その演奏シーンは口パクには見えなかった)。
②は最近是正されつつあります。
ジャパメタだから悪いってことはありません。
ただ、HR/HM系なのに歌詞が英語じゃなくて日本語というのには今でもちょっと違和感があります(それもやや慣れてきたかな)。
昔の『バーン!』でもエックスは紹介されていました。
ショーヤやイエロー・モンキー程度の扱いだったと記憶していますが。
当時はジャパメタに対する偏見が強かったので、「ハロウィンに似ている」とか書かれていて、ちょっとそそられましたが、結局のところ無視してました。
③はどうですかね。
小泉首相の人気、いや任期ももうすぐ終わりなんで、一匹狼っぽい、ライオン・ヘアがトレード・マークの、(悔しいことに)リチャード・ギアにクリソツな、あのろくなもんじゃない首相に対する嫌悪も、最近はあまり感じなくなってきました。
実際小泉首相の好きな音楽は、プレスリー、ワーグナー、エックスと聞いていましたが、プレスリーとかワーグナーとかセンス悪くないじゃないですか。
少なくとも文化面に関しては、ヤクザを賛美するような演歌しか聴かないような議員さんよりも小泉首相は優れた強要、いや教養をもっているのではなかろうか。
私も、プレスリーもワーグナーも好きです。
というわけで、前置きが長くなりましたが、エックスの2枚組ベスト盤です。
ベスト盤もたくさん出ていますが、「ファンの選択」というのは頼もしい。
DISK1はかなり充実していますね。
①「紅」
速いです。
イントロはピアノだと思い込んでましたが、ギターでした。
いろんなヴァージョンがあるのかな?
今回、エックス・ジャパンのCDを入手しようと思った直接のきっかけがこの曲です。
最近の『バーン!』のインタヴューで、ハロウィンのヴァイキー総統が、昔、「紅」を聴いて、自分たちより速いバンドがいることに驚いて、いつか「紅」よりも速い曲を自分たちでもやってやろうと思ったという(私にとっては)衝撃的なことを告白していて、俄然、エックスに対する興味がわいてきたというわけです。
今ではデス系とかで、ハロウィンやエックスよりも速いバンドは腐るほどいるわけですが、コンピュータがビートを刻む音楽を除外すると、当時としてはエックスって世界最速だったんじゃないかしら(リスペクト)。
②「サイレント・ジェラシー」
これもスローなイントロで始まって、本編はやっぱりスピードのある曲。
こっちのイントロはピアノだった。
私がTVで昔観たのは「紅」じゃなくて、これだったのかもしれない。
①も②もそうなんですが、演奏もスリリングだし、緩急のつけどころがうまいので、実際以上に速く感じます。
機械で計測すればデスメタルはもの凄く、超絶的に速いんだろうけど、あのブラスト・ビートとか呼ばれてる2ビート、どうも体感速度はそれほどでもない。
③「エンドレス・レイン」
美しいピアノ・バラード。
バンドが参加していないわけじゃないんですが、エックス=ヨシキ=ピアノというイメージが頭にあるせいか、なんとなくピアノ伴奏ばかりが印象に残る。
ギターを弾いている人(たしか故人)はヒデと読むのかハイドと読むのか知らないけど、この人のギター・ソロも美しい、もっと長くてもいいと思った。
④「ラスティ・ネイル」
ピアノじゃなくてシンセのイントロから始まる、あまり速くない(普通の速さ?)ポップロック。
歴史に残るような名曲ではないだろうけれど、良曲。
これを聴けば、エックスが良曲を量産できるバンドだということが認識できる。
どの曲にもちゃんとギターソロを入れてくれるのはHMバンドとして、良心的だと思うが、ちょっと短め傾向だ。
⑥「アート・オヴ・ライフ」
30分近い大曲。
最初、ランニング・タイムを見て、「うげっ」と思ったが、杞憂だった。
スローなパートと速いパートとの構成が絶妙で、30分飽きずに聴き通せる。
脱帽。
DISK1ではスキップしたくなるトラックは⑤しかなかった。
しかしDISK2に入るとちょっとクオリティが落ちる感じ。
このアルバムはだいたい発表された年代順に曲が並んでいるのかな?
①「ダリア」
これは「紅」「サイレント・ジェラシー」並みに速い曲。
スローなイントロがないのだが、それもまた良し。
ヴォーカルに変なエフェクトをかけてる箇所がある。
もともと引き出しの多くないバンドゆえ、ワン・パターン化しないようにいろいろ実験している感じがして、好感が持てる。
⑤「スカーズ」
典型的なエックス・ナンバーからはだいぶ趣の変わった曲。
ヒデだかハイドだかのソロアルバムっぽいようなイメージを受けた。
ギターのリフが前面に出てるせいか、このアルバム中、最も勢いのある曲かも。
総評:
楽曲はHM的に言って文句なしに良い。
ナルシシスムに満ち満ちたヴィジュアル系特有の日本語歌詞世界も、曲にうまい具合にのっていて、ジャパメタを聴くときにいつも感じる違和感をほとんど感じなかった。
DISK2はクオリティが低いというよりも、バラード中心の構成になっているのが、スピード重視の私には不満だったのかもしれない。
ヴォーカルはちょっと悪声気味(カイ・ハンセンよりはマシか)。
もっと(マイケル・キスクのような)透き通るような綺麗なハイ・トーンを聴かせてくれるヴォーカルが欲しいところ。
うーん、今更ながらだがハマリそう。
オリジナル・アルバム何枚出してるんだろ。
活動期間がそんなに長くなかったと思うから、それほどの出費にはならぬと思うが…
エックスジャパンといえば、5月3.4日の2日間で「ヒデ」の追悼式があるようです。横須賀市衣笠(JR衣笠駅)に市立の「はまゆう会館会館」というところがあってそこで開催。昔、ヒデさんがデビューする前に横須賀のライブハウスに出演していたけど、その時のオーナ-が、今は衣笠十字路の仲通で中華屋さんをやっていてその時のことを話してくれるかも!
by Toshi (2006-05-02 17:55)
Toshiさんいらっしゃいませ。
ギタリストの名前の読み方「ヒデ」が正しいのですね。
情報参考になりました。
by ジェラミイ (2006-05-02 19:59)