誰が悪い?もちろん教師 [人文科学(主に小説)]
(`へ´) < 「実教出版」の教科書に、「英米両国の国名を誤って逆に記載」があったそうです。
その教科書を丸暗記した受験生は、困ったことになっているようです。
教科書を丸暗記するような健気な受験生がかわいそうです。
誰が悪いのでしょう?
毎日新聞はひっくるめて「大人たち」を犯人ということにしていますが、
私はどう考えても、高校の社会科教師が悪いとしか思えません。
教科書の校正にたずさった出版社側の人間にももちろん責任はあるでしょうけど、
本を作る上で、誤字・脱字・変換ミス(昔は誤植と言ってた)はいくら注意しても、
実際問題、100パーセントは避けようがないヒューマン・エラーです。
字がぎっしりの本から、完全にエラーをなくすには読者の協力が必要です。
私の経験ですが、大学でインド哲学の講義で、
講師の先生の書いた新しい本が教科書に使われましたが、
私もひとつ誤植を発見して、先生に喜ばれました。
次の版から訂正されたか、訂正の紙が挿入されたことでしょう。
大学生は教科書の丸暗記はしないで自分で調べ物をするのものなので、
そんな調子でいいと思うのですが、高校生は教科書丸暗記が基本です。
教科書の誤りに気づかなかった先生たちに全責任があると思います。
なにしろ、「この教科書は02年度の検定に合格。
今年度は424校で6万6163冊が使用され、
11社15冊中のシェアは12.6%で2番目に多かった」そうですから、
相当たくさんの先生がこの教科書を読んでいるはずです。
高校の教師は科学的検証能力も批判精神も欠如した白痴ぞろいなのか?
高校の教師っていったって、ちゃんと4年生大学の卒業生でしょうから、
他人の言うことを鵜呑みにせず、
自分で調べ物をすることの大切さくらい習ってきたでしょうに。
なげかわしいことです。
高校に通い続けることが無意味に思えて中退した自分は正解だったな。
偉大なアーティスト尾崎豊も高校中退だし。
<教科書訂正>センター試験に出題 救済措置なし
教科書通りに答えると、不正解になる――今年の大学入試センター試験で、英語リスニングテストに続きミスが明らかになった。文部科学省の27日の発表によれば、実教出版(東京都千代田区)の政治・経済の高校教科書に掲載されていたグラフに誤りがあった。類似したグラフが今年の大学入試センター試験で出題され、受験生が同社に問い合わせて判明した。この教科書で学んだ受験生が不利益を被った可能性があるが、センターは「問題と答え自体に誤りはない」などと救済措置は取らない方針だ。
同省教科書課などによると、グラフは、日米英独仏のGDP(国内総生産)に占める公共投資の割合の推移を示した。実教出版が教科書に使う際、英米両国の国名を誤って逆に記載。検定でも訂正されなかった。
センター試験では、5カ国のうち日米英3カ国の割合の推移を示したグラフを示し、正しい国名の組み合わせを答えさせる問題が出題された。配点は100点満点中3点。この教科書で学んだ生徒は、教科書通りに解答すると間違いとなる。
同試験後の24日に群馬県の受験生から同社に問い合わせがあり誤りが確認されたため、同社が25日に文科省に訂正申請を提出。27日付で同省が訂正を承認した。この受験生は教科書通りに答えたため、不正解となったという。
同社は「教科書への信頼を傷つける結果となり深くおわび申し上げる」と謝罪。同省教科書課の山下和茂課長も「教科書の誤りで一部の受験生が正答を得られなかったとすれば申し訳なく、心からおわび申し上げる」と陳謝した。
また、大学入試センターは「大変気の毒だが、救済措置は正解を答えた受験生に不利益になり、救済措置は取れない」と述べた。
同課などによると、この教科書は02年度の検定に合格。今年度は424校で6万6163冊が使用され、11社15冊中のシェアは12.6%で2番目に多かった。
センター試験では昨年も、国語1の問題で、教科書と同一文章は避けるよう厳重チェックすることになっていたのにもかかわらず、1社の高校教科書に載っている評論文が出題されるミスがあった。【長尾真輔】
◇許されない理不尽な不手際
誤った教科書を学んだ受験生が、センター試験で不利を被る。公平な扱いを受けるべき受験で、英語リスニングテストでの機器不具合や監督者のミスなどに続き、あってはならないことが起きた。今回判明した記載ミスからは、いくつもの疑問点が浮かぶ。
教科書を使い始めて2年近くたつのに、なぜ出版社も文科省も、そして教育現場もこんな単純ミスに気づかなかったのか。実教出版は「校正は3回、あるいはそれ以上行った」と釈明する。
しかし、問題のグラフは、公共投資割合の高い日本と低い米国に対し、70年代後半から80年代初めにかけて公共投資の割合が一気に低下する英国の動きが特徴的だ。これは79年に労働党から保守党に政権が移り、「サッチャー革命」で小さな政府づくりが進められた経緯を物語る。同省は「なぜこんな間違いに気づかなかったか。調査態勢を見直していきたい」と表明したが、後の祭りだ。
一方、昨年の国語の出題ミスを受けて、大学入試センターは再発防止を約束した。しかし、再び15冊の政治・経済の教科書のうち1冊しか使っていないグラフと類似したグラフが出題されるという不可解なことが起きた。同センターによると、問題に使うグラフや写真、表が教科書に出ているかどうかの確認は、問題作成者に求めていなかったという。センターは「今後はすべてを見るようにしたい」と述べ、謝罪の言葉はなかった。
大人たちの不手際のツケを受験生たちに負わせた形になった。将来を左右するセンター試験で、こんな理不尽なことが許されるわけがない。【長尾真輔】
(毎日新聞) - 1月27日21時18分更新
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