ファインタック『激闘ホープネーション!(下)』 [人文科学(主に小説)]
大長編SF小説を読んでる。
というわけで、植民星ホープネーションは、宇宙怪物の大襲撃にあい、国連軍の残存艦隊は太陽系守備のためそそくさと撤退してしまった。
植民星は地球本国から見捨てられてしまったのだ。
まだ辺りには宇宙怪物がうよううよしているのに、残されたシーフォート宙佐には戦闘艦もない、どうする!
身分違いの女房も暴漢に輪姦されて、精神に異常をきたしてしまった。
シーフォートは国連代表として、大農園主たちの悲願だったホープネーションの独立を認めてしまう。
そして、彼は決死の覚悟で宇宙ステーションに昇った。
この未来世界では核兵器の使用は国連憲章によって厳しく禁止されている。
核兵器を使ったら確実に極刑になるらしい。
しかし、シーフォートは1,000匹の宇宙怪物をおびき寄せ、ステーション総督の特別権限で、ステーションを核爆発させ、それらの怪物を抹殺する挙に出る。
しかし、問題がひとつ。
総督が脱出すると、ステーションのコンピュータは防護プログラムが再起動してしまい核爆発は起こせないのだ。
シーフォートはステーションと心中する覚悟を決めるが…
そこで超高速艇ヴィクトリアがやってきた。
ヴィクトリアの艦長は、シーフォートの旧友ホルサーだ。
先の航天で仲違いをしてしまったふたりだったが、ホルサーはシーフォートの覚悟を知り、その決断を理解すると、シーフォートの顎を砕き負傷させ彼を解任、自分総督になり、心中の身代わりになる。
シーフォート他、置いてけぼりをくらった連中はヴィクトリアに収容され、地球へ帰還する。
しかしヴィクトリアの乗組員はみなシーフォートが、敬愛するホルサー艦長を身代わりにさせ、自分だけおめおめ助かったことに怒り狂い、シーフォートは針のむしろの思い出9ヶ月の航天をし、地球に帰還する。
核兵器を使ったので、軍事裁判で極刑を覚悟していたシーフォートだが、宇宙怪物の脅威が明らかになって以来、国連憲章は改憲され、核兵器の使用は合法手段になっていたので、シーフォートはまったくおとがめなし。
しかも1,000匹の宇宙怪物を屠った英雄として、マスコミにもまつりあげられる。
シーフォートは今回の航天でもたくさんの仲間を死なせ、もうつくづく宇宙軍が嫌になっていたので、辞任を申し出るが、政治的な理由から、辞表は受理してもらえない。
きたるべき宇宙怪物との決戦のため、軍備拡張のための予算獲得と、新兵の大量募集のため、宇宙軍は英雄シーフォートの人気を利用しなくてはならなかったのだ。
というわけで、シーフォートは士官学校の校長になる。
(つづく)
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